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【インド体験談】ヴィパッサナー瞑想は危ない?

最近は瞑想ブームですね。

お寺の座禅体験や自宅で瞑想をしたことがある人も多いと思います。

マインドフルネス瞑想や座禅など、ほんとうに色々な種類の瞑想法がありますが、中でも有名なものの1つが『ヴィパッサナー瞑想』です。

ちらっと耳にしたことがある人もいると思いますが、「施設に入れられてずっと瞑想するなんかヤバいやつ…」「怪しすぎる…」といったイメージを持っている人も多いようです。

ググってみると、「ヴィパッサナ―瞑想 やばい」「ヴィパッサナ―瞑想 怖い」っていうのがかなりヒットしますね(笑)

そんなヴィパッサナー瞑想はほんとにヤバいものなのか、僕がインドで実際に10日間体験した経験を踏まえて紹介します。

・瞑想が流行っているワケ
・ヴィパッサナ―瞑想とは?
・本場インドでのヴィパッサナ―瞑想体験
・ヴィパッサナー瞑想はゴリゴリの宗教的活動ではない
・注意点・コースを受けるべきでない人

瞑想が流行っているワケ

少し前までは、怪しいスピリチュアルなものとして瞑想はそこまで一般的ではなかったですが、効果が科学的に実証されてきたことや、海外のビジネスマンに取り入れられたこともあって、すっかり浸透しましたね。

ビジネスの点からみても、瞑想の市場規模は世界的に年々増えています。

アメリカ国内のGoogleトレンドを見ると、「瞑想(Meditation)」をキーワードに検索する人はここ10年で着実に増えていますね。

google trend mindfulness

特に瞑想アプリの成長はすさまじく、KD Market Insightsの調査レポートによれば、2025年まで年平均7.8%で成長を続け、日本円で2000億以上の市場機会を獲得する見通しです。

僕も「Calm」や「Headpace」といった瞑想アプリを使ってみたことはありますが、瞑想習慣がないビギナーの方には取っ掛かりとしてはすごくいいと思います。

瞑想がここまで普及している理由は、今までは「根拠のないスピリチュアル的なもの」として避けられていたが、様々な実験を通して「ストレスを軽減する」「生産性を向上させる」「睡眠の質を上げる」といったことが科学的に実証されたからです。

日本では古くから座禅という文化がありましたが、やがて宗教的・スピリチュアル的な怪しいものとして一旦忘れられていました。

でも近年、海外から逆輸入するかたちで再ブーム化していますよね。

ヴィパッサナ―瞑想とは?

ヴィパッサナー瞑想とはどんなものか

ヴィパッサナー (Vipassana) は、物事をありのままに見る、という意味です。インドの最も古い瞑想法のひとつで、2500 年以上前にゴーダマ・ブッダによって再発見され、普遍的な問題を解決する普遍的な治療法、 生きる技として、多くの人に伝えられました。
ヴィパッサナー協会より引用

瞑想方法はいたってシンプルで、自分の思考・感覚を観察するということ。

体験する方法としては、実際の寺院・施設に入って10日間瞑想するコースが有名です。

10日間ずっと自分と向き合うため、一切の情報のインプットが禁じられます。

スマホなどの電子機器はもちろん、読み書きもダメ、人と目を合わせることもダメです。

かなり特殊な環境なので結構きついですが、基本的には途中リタイアは認められていません。ただ、本当に体調が悪くなったりした場合はもちろんリタイア可能です。

日本だと京都と千葉の2箇所のみですが、施設は世界中に存在し、インド国内だと少なくとも数十はあるようです。

ちなみにこのヴィパッサナー瞑想、インドでは刑務所の囚人更生プログラムの一環として取り入れられたりもしています。

座禅とヴィパッサナー瞑想の違い

座禅が「心を無にして呼吸に集中する」のに対し、ヴィパッサナー瞑想は「呼吸や五感、浮かんでくる思考すべてを観察者としてあるがままに見る」ことを通して深い瞑想に入ります。

実際のインドでの体験談を交えて、やり方と効果を書いていきます。

本場インドでのヴィパッサナ―瞑想体験

taj mahal palace

僕が体験したのは、商業都市ムンバイの都心からほど近い施設「Dhamma Vipula Vipassana Meditation Center」でした。

男女50人ずつ計100名で、大広間で先生を前に座布団の上でひたすら瞑想。はたから見たらそれだけでかなりヤバい光景です(笑)

スケジュール:
4:00起床の21:30消灯。あいだに食事や小休憩を挟むほかは、ずっと瞑想を続けます。時間にすると毎日11時間ぐらいですかね。

食事:
豆などの穀物を原料としたスナック、ダール(インド版味噌汁みたいなもの)、フルーツぐらい。予想通りかなり質素です。

費用:
基本的に無料なので料金設定はないですが、ボランティアで運営されているので、自分の満足度に合わせた金額を自分で決めて寄付する感じです。

体験の実際の流れ

【オンラインで体験申し込み】
2週間に1回のペースでコースがあるので、空きのあるコースを選択したら、氏名、連絡先、体験の希望理由、持病や食べ物のアレルギーなどの簡単な情報をフォームに記入。数日で予約確定の返信メールが来ました。

【初日】
昼過ぎの集合時間に施設に到着。
係りの人にスマホなどの貴重品を預けて、施設内設備の簡単な説明をしてもらってから、どの部屋に泊まるかを割り当てられます。
※係りの人にどの宗教を信仰しているかを聞かれましたが、特定の信仰はないため「無宗教」と答えたら「何言ってんの?どうゆうこと?」となったので、適当に「仏教(Buddhism)」と答えました。インドでも無宗教であるということはだいぶおかしなことみたいですね。

男女で宿泊する建物が分かれており、1人部屋もありますが、2人部屋が基本のようでした。僕の場合ルームメイトは髭の生えたインド人のおじさん。(もちろんこのおじさんともこれ以降会話をすることはありません。)

外国人は受講者のうち2割ぐらい。それも欧米系の人が多い印象でした。

荷ほどきなど色々終わって、夕方頃からついに瞑想スタート。
日本でも一般的な座禅と同じく、座布団の上にあぐらを書いて座る。初めはひたすら鼻孔に意識を集中し、ゆっくり息を吸って吐いてを繰り返す。

長時間座っていることになれていないため少し身体が痛いですが、新しい体験で興奮しているためまあ耐えられます。

【2~3日目】
身体的にかなりきついです。足・膝・背中の痛みで、無心になるとかのまえに、どれだけその姿勢に耐えられるかとの格闘でした。

【4~7日目】
ここから瞑想方法の指導が変わります。
意識を呼吸に集中するのではなく、身体の各パーツへ順番に置いていきます。

頭→こめかみ→耳→目→鼻→口…といったように頭から足の指先までゆ~っくりと意識を移して観察していきます。それが終わったら今度は足先から頭へ…。同じことをひたすら繰り返します。

目に意識を集中している時は眼球にまぶたが接している感覚に集中します。鼻の場合は空気が出たり入ったりしている感覚、太ももの場合はズボンの生地と触れ合っている感覚といった感じです。

僕の場合、頭から足先にいくまで15分以上かかりました。それぐらいゆっくり観察していきます。

この時点で姿勢自体には徐々に慣れ始めたので、身体の痛みはあまり感じなくなりました。

ですが、今度は精神的にきつくなってきます。

今まで体験したことのない環境なので、ずっと座って瞑想を続けることがかなり辛くなってきます。

雑念だらけの中、できる限り身体のパーツに意識を集中するよう努めます。

【8日目以降】
身体的にも精神的にも辛さがなくなってきて、かなり集中できるようになってきます。

同時に、不思議な感覚にも陥りました。僕の場合は、

・今自分が座っているのか横になっているのかわからなくなる
・手を組んでいるのか、膝の上に置いているのかわからなくなる
・座布団ごとくるくる回転しているように感じる

これだけ聞くと完全にヤバいですよね(笑)

他の方のブログを見ても、似たような体験をされた方が結構いるらしく「ヤバいといわれている理由はコレか」と思いました。

【コース終了後】
最終日は会話をすることが許されるので、今まで目も合わせなかったほかの受講者とお互いに感じたこと・感覚を共有し合いました。

今まで一切のコミュニケーションを禁じられていたため、みんな興奮しまくりでマシンガントークがすごいです。僕も普段だとあり得ないぐらい喋り続けました。

気持ち程度の寄付金をセンターの方に渡して終了。(センターの人たちもボランティアです)

体験の大まかな流れはこんな感じです。

ヴィパッサナー瞑想はゴリゴリの宗教的活動ではない

pile of stones

ここまで聞くと、「やっぱりなんか胡散くさいな」と感じた人もいると思います。

瞑想に馴染みがない人にはやっぱりハードルは高いとは思いますが、一つ言えるのは決してそんな宗教的なものではないということ。

僕が通った「Dhamma Vipula Vipassana Meditation Center」のウェブ上の説明は下記の通りです。

ヴィパッサナー瞑想は:

【ではない】
・盲信的な儀式ではない
・知的・哲学的好奇心を満たすための娯楽ではない
・休暇やバケーション、社交するための場所ではない
・日常生活の試練や苦難から逃げるためのものではない

【である】
・苦しみの根本を断つテクニックである
・バランスの取れた穏やかな方法で人生の苦境や問題に向き合うことを可能にするものである
・社会貢献して生きるための技術である

見た通り、ヴィパッサナ―瞑想は宗教とかスピリチュアル的な考え方というよりは、より良い人生を送るためのテクニック(処世術)そのものと言った方が正しい気がします。

正直にいうと、僕が参加した理由は好奇心の側面が強かったため、本来のヴィパッサナー瞑想の意図とは異なるかたちでの体験となりました。

そのため、瞑想を通じて「人生観が大きく変わった」という実感はあまりないです。この辺は体験に参加する理由やモチベーションによって実感や効果が変わってくるんじゃないかと思います。

僕以外の受講者でも「聖書やコーランを読んでも神がなぜ自分を作ったのかがわからなかったから受けてみた」というインド人のおじさんや、自傷癖を治したいスイス人の女性など様々でした。

ただこの体験を通して感じたことは「自分の感覚は案外でたらめだ」ということ。

同じ姿勢でずっと目を閉じているだけで、五感がどんどん麻痺してきて、やがては今自分がどういう姿勢を取っているのかもわからなくなる。

普段なんの疑問もなく正しいと認識していることも、案外間違っていたりすることも多いんじゃないかと考えさせられました。

注意点・コースを受けるべきでない人

個人的にはかなり貴重な体験でしたが、ヴィパッサナー瞑想はこういう人にはあまりオススメしません。

1.鬱や過度の精神的ストレスに悩まされている人
ヴィパッサナー瞑想は徹底的に自分と向き合うため、精神状態が極端に不安定な人が受けるとかえって悪化させてしまう危険があります。

2.人生観を大きく変える何かを求めている人
人それぞれだとは思いますが、10日間瞑想したぐらいで価値観を一気にひっくり返すような大きなものは期待できないと思います。

10日間のまとまった休みが必要なため、なかなか気軽には参加できないとは思いますが、人生経験として一度受けてみるのはアリだと思います。

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